アンビリバボー チンパンジー 育児放棄されたチェリーと亀井一成さんの人工哺育の絆 自宅で過ごした4年間・神戸王子動物園 8月25日

2016年8月26日


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アンビリバボー(2016年8月25日放送)神戸王子動物園で母親チンパンジーの育児放棄により飼育員亀井一成さんの自宅で人工哺育により育ったチェリーとの家族の一員として成長した4年間の記録と別れの奇跡が紹介されます。

神戸王子動物園

いつの時代も子供たちの人気の施設ある動物園、そこには動物たちを觀る子供たちや家族の笑顔で溢れています。

しかし動物園に不遇の時代が訪れます。

それは太平洋戦争、第2次世界対戦です。

空襲により動物達が逃げ出し人間を襲う事を恐れた軍部は各地の動物園に対し殺処分を決定します。

神戸の神戸市諏訪山動物園も例外では有りませんでした。

戦後経営難により閉園しますが、1951年3月21日に王子動物園としてオープンする運びとなりました。

王子動物園は現在では、ジャイアントパンダで人気の動物園です。

王子動物園の飼育技師、学芸員として採用されたのが1950年に王子動物園の前身の諏訪山動物園でゾウの飼育をしていた1930年神戸生まれの亀井一成(いっせい)さんでした。

1955年やがて日本最長寿のチンパンジーとなる「ジョニー」が王子動物園にやってきて人気者になります。

そして、1963年(昭和38年)、ジョニーと「摩甲(マコ)」の間にメスのチンパンジー「チェリー」が誕生します。

予定より1か月以上早く生まれたために、未熟児となり体重は通常の半分ほどの980グラムで、マコは「チェリー」に母乳を与えず育児放棄してしまいます。

そこで「チェリー」の飼育の担当となった亀井一成さんが行った飼育方法とは?

亀井一成さんの飼育方法

自宅に引き取り、奥さんの泰恵子さんと人工哺育を決断しました。

四六時中つきっきりで、の人工哺育です。

当時、人工哺育は、飼育技術が未発達なため、小児科医に相談したり育児書を読み漁るなど手探りでの飼育を行いました。

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時には、おんぶして動物園へ出勤も行いました。

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息子寿久さんを巻き込んでの家族生活

亀井一成さんには多感な年頃の息子寿久さんがいて、チェリーが驚くからと、大好きなナイター中継を見せてもらえず、ラジオを聞くことさえ禁じらていてストレスとなったが、動物園の仕事で疲れているだろうにも関わらずチェリーを散歩に連れて行ったり、母親がチェリーをおぶって家事をこなすなど、両親の献身的な姿を見ていると応援したくなり家族の絆も強くなったそうです。

特に寿久さんは生まれた時は、チェリーの様に未熟児で両親が必死にミルクを与えたエピソードを語られチェリーを通して親の優しさを実感する様にもなったのです。

そして息子寿久さんの提案で通勤時間を短くして一成さんの肉体的負担を減らせるからと動物園の近くのアパートに引っ越しました。

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その後、チェリーの兄弟として、1964年(昭和39年) 双子の弟、金ちゃん、銀ちゃん、(いずれもオス)が誕生しますが、3匹とも亀井家で人工哺育される事となりました。

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※金ちゃん、銀ちゃんの誕生から10年後の1974年(昭和49年)チンパンジー「神ちゃん」(オス)が誕生し、神ちゃんも人工哺育で育てられました。

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檻が怖い

4年の人工哺育の期間が終わり、「チェリー」を動物園の群れに返す時がやって来ました。

しかし、亀井家で育った「チェリー」は 檻を大変怖がりました。

そこで亀井夫婦はなんと!

檻の中に家具を持ち込み、夜は檻の中で布団を敷いて寝るという生活を1ヶ月送ったのでした!

そして徐々に「チェリー」は檻の中の生活や群れの中での生活に慣れていったのでした。

やがて「チェリー」はお絵かきが出来るなど才能を発揮し、王子動物園で人気者になっていくのでした。

別れの時

1990年、亀井一成さんとチェリーに別れの時が訪れます。
この年、亀井一成さんは王子動物園を定年退職する日が訪れたのです。

亀井一成さんは園内の動物科学資料館で子ども相談員を務める傍ら「おはよう朝日です」「こども電話相談室」などの出演経験からユニークで分かりやすい話し方を活かし講演活動を行うなどの活動を行っていましたが、2010年09月11日、80歳で心不全により永眠しました。

そして、それから4年後の2014年7月初旬「チェリー」は餌が喉を通らなくなる程衰弱し、平成26年7月14日、51歳で老衰の為、飼育棟の寝室で眠るように息を引き取りました。

「チェリー」は平成24年9月神戸市動物愛護協会から長寿動物表彰を受賞していました。

「チェリー」は現在剥製となって王子動物園に訪れる子供達を迎えており、その傍らには、亀井一成さんと過ごし日々の記録が展示されており、来園する人たちに感動を与えています。

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書籍「チンパンジーのチェリー (亀井一成のどうぶつえん日記)」

そして、亀井一成さんと「チェリー」の家族としての生活は書籍「チンパンジーのチェリー (亀井一成のどうぶつえん日記)」に綴られています。

まとめ

チンパンジーの51歳は、人間で言えば80歳~90歳くらいと云われ、長寿を全うしたチンパンジーのチェリー。

本人は、チンパンジーとしてでは無く人間として、亀井一成さん、泰恵子さん夫婦の娘として家族として生きていたのかもしれません。

育児放棄は動物の間では珍しくなく、チェリーの事例以外にも育児放棄された赤ちゃんを人工哺育したケースは少なくありません。

例えばフサオマキザルの「アロ」です。

育児放棄したからといって最初から母親と引き離し人工乳を飲ますのでは無く、母親の初乳を飲ませると免疫力や栄養素が与えられ、病気などから守る事が出来るので、なんとかして母親から授乳させてから人工乳を飲ませたそうです。

今では色々な種類の動物の人工哺育が行われていますが、亀井一成さんの人工哺育のノウハウが活かされているのでしょうね。

本日は当ブログをご覧頂き有難うございました。

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