プロフェッショナル【義肢装具士】臼井二美男・義足の仙人の主催するスポーツクラブ・ヘルスエンジェルスからパラリンピック選手を輩出し義足のファッションショーも!9月5日
今回は、プロフェッショナル・仕事の流儀「義肢装具士(ぎしそうぐし)・臼井二美男(うすい ふみお)」(2016年9月5日)を紹介します。
リオオリンピックも終了の感動も冷めやまない中、障害者のオリンピックであるリオデジャネイロパラリンピックが9月7日から開催されます。
NHKで取材する有働由美子アナウンサーがで財布を忘れ現地入りしたと、9月5日放送のあさイチ!朝ドラのウケで暴露されて以下にも有働アナらしいうっかりと微笑ましいエピソードが語られました(笑)
同じ9月5日NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」では、パラリンピックを支える競技サポーター・義肢装具士の臼井 二美男さんが紹介されます。
義肢装具士の臼井 二美男さんとはどんな人物?
義足の仙人と呼ばれる臼井 二美男さんは、パラリンピックの競技サポーターとして義足の選手のメカニックの仕事を行っており、今回のリオデジャネイロパラリンピックはパラリンピックのサポートして5回目の参加です。
臼井二美男さんは大学中退後、フリーターを経て28歳の時、職業訓練校のチラシで知り、工房などを探し回っていた所、ある義肢装具士に義足(義肢装具)の製作、義肢装着訓練などを行うリハビリテーション施設「鉄道弘済会義肢装具サポートセンター」を紹介され、見学にいったところ、たまたま欠員が出たとの事で見習いからの形で就職し、義肢装具士の職に着き義足の制作を始めました。
臼井さんにとって人生を変えるような衝撃的な出会いが1989年にオーストラリア「国際義肢学会」で有りました。
そこでは、義足のアスリートとの出会いが有りました。
義足のアスリートと出会うまでは、歩くだけの義足の概念しかなかったのですが、独学でアメリカからパーツを取り寄せスポーツ用の義足の試作を行う日々が始まったのです。
切断者スポーツクラブ・ヘルス・エンジェルス(Health Angels)を設立
そして、臼井さんは、国産初のスポーツ用義足を完成させ、足を切断し義足で運動する障害者のスポーツクラブ「ヘルスエンジェルス」1991年に設立しました。
きっかけはスポーツ用の義足を制作し、ある女性に取り付けて試してもらったところ、その女性はポンポンポンと5歩ほど走る事ができました。
その女性の目には涙が溢れていました!
結果はたったの5歩でしたが、その女性にとっては「大きな5歩」だったのです!
足の切断で塞ぎこむ日々が切断する前の様に思うように走ることができた!という事で人生が変わった瞬間だったのでした。
この事が大きく臼井さんの胸に刻まれ、「走る歓び」を感じてもらう為に「切断者スポーツクラブ・ヘルスエンジェルス」設立の原動力となったのでした。
病院では、義足を付けて歩ける様になれば患者との関係は終わってしまいますが、スポーツクラブなら歩ける様になった上、一生の付き合いも出来るのです。
最初は、スポーツクラブという事で、身構える人も多く参加者も5人からのスタートでしたが、「クラブ活動だから気軽に飲み会に来る気持ちで来て!」と何度も義足のユーザーを誘ったところ、遠慮していたユーザーも徐々にクラブに参加する様になり、遂には、このクラブからはパラリンピックに出場する選手も誕生していく程になりました!
パラリンピックに出場するヘルスエンジェルス選手は?
鈴木徹(すずき とおる)選手
種目:陸上・走り高跳び(開催日:9月8日~18日)
障がい種別:右下腿切断
大西瞳(おおにし ひとみ)選手
種目:陸上・100m&走り幅跳び(開催日:9月8日~18日)
障がい種別:右大腿1/2以上欠損
秦由加子(はた ゆかこ)選手
種目:パラトライアスロン(開催日:9月10日、11日)
障がい種別:疾病による右大腿1/2以上欠損
パラリンピックでは、選手の義足のメンテナンスのみならず、選手の心のケアも必要!と語ります。
シドニーパラリンピックの時、ハイジャンプの鈴木透選手は、日本初の義足の走り高跳び代表選手というプレッシャーもあり、ナーバスになっていましたが選手の目の前で義足の調整したりなだめだりすると顔色が良くなっていったとエピソードを語りました。
その結果、鈴木透選手は、1m78を飛び6位を獲得し、その後順調に頭角を現し、2016年5月2016 IPC 陸上競技 GP リオ大会では2m02を飛び優勝するまでに成長しています。
リアルコスメチック義足とファッションショー
臼井さんが手掛けるのはスポーツ用の義足だけではありません。
女性は美しく願うのが常です。
歩けるだけの機能美だけではなく見た目もオシャレに見せたくなるのも当然です。
2005年、ミニスカートで街を歩きたいとの義足の20代の女性の想いを受け、シリコンで肌の質感を再現したリアルコスメチック義足を開発しました。
画像出典:鉄道弘済会義肢装具サポートセンター
切断面と義足の重なる部分の色の違いなどで義足とわかるのでミニスカートは履けなかったのが本物の足と見分けがつかないので大変よろこばれました。
アルコスメチック義足は、ハイヒールも履ける様、角度調整が可能です。
画像出典:鉄道弘済会義肢装具サポートセンター
やはり中には嬉しさのあまり泣き出す女性もいたそうです。
オシャレに魅せることで自分自身も前向きに生きる事ができるのですね!
そして、義足でのファッションショーのイベント「切断ヴィーナス」も行いました。
他にも妊婦向けにマタニティ義足も作成しています。
臼井さんが手がけたファッショナブルな義足は「切断ヴィーナス Ability not Disability」という写真集でも紹介されています。
切断ヴィーナス [ 越智貴雄 ]
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義肢装具士になるには?義肢装具士は”やりがい”がある仕事!
臼井さんは本当は職業訓練校の義肢科に入学が決まっていましたが、たまたま運良く見学に行った「鉄道弘済会・東京身体障害者福祉センター」で欠員が出て見習いとして就職ができました。
義肢装具士は、高度な技術が必要なので、給与も良いと思われがちですが、忙しいにも関わらず、キャリア応援サイトCareer Gardenによると、平均年収は300万円~500万円程度との事です。
しかし、プライスレスなやりがいのある仕事として、義肢装具士を目指す方も多いのが嬉しいですね。
その証拠として、義肢装具士国家試験の合格率80%以上と高いのですが、簡単と言う意味では無くそれだけ義肢装具士になりたい!と意志が強い人達が受験するからでは無いでしょうか?
専門学校に通う他、ハローワークの紹介で、職業訓練校に通う事もでき自治体からの援助が有ります。
臼井さんも元々は職業訓練校に合格していました。
動画:義肢装具士学科 モノづくりで人を支える医療職の魅力
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まとめ
パラリンピックはメカニックとして、海外のメカニックと情報交換ができたり、その国によって義足の特徴が確認出来ることも楽しいと語っています。
パラリンピックはオリンピックに比べて注目度が低いのが残念で、事実リオデジャネイロパラリンピックではチケットが売れておらず(リオデジャネイロオリンピック自体もでしたが)会場を最初の予定より圧縮して、開催されます。
個人的には病気で車いすで病院内で入院生活していた時期があるので、車いすの競技が興味津々です。
たまたま、スポーツ用の車いすの販売を手掛けるOXエンジニアリングの故・石井社長とお会いする機会があってバイクの事、車いすの事をお話する事ができて感激しました。
OXエンジニアリングは当初SSイシイ(スポーツショップイシイ)としてオートバイのレース用マフラーを中心としたバイク用パーツを制作しレース活動で常勝チームでした。
その後、OXエンジニアリングと改名しますが、石井社長自らバイクパーツをバイクに取り付けてテスト中に転倒し、車いす生活となりました。
しかし、石井社長はピンチは職人気質からか満足する車いすが無いとの事から自ら車いす事業に参入。
オートバイの技術を活かしカーボンなど軽量素材の車いすを販売したところ、競技用車いすを求めていた選手層に人気となり、スポーツ用車いすの代表格とまで成長しました。
今回プロフェッショナルで紹介される臼井さんは、技術者としてヒアリングしながらモノを作る、石井社長は自分の納得出来るモノを利用者の意見をヒアリングをプラスしてモノを作るというアプローチ方法は違いますが、義足、或いは車いすで、障害者の自信を取り戻すモノを作るという点では一致しますね。
本日は、当ブログをご覧頂きありがとうございました。
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